下関水陸物産「やまみ職人伝承 黄金粒うに」のお話

生ウニとはひと味違う、濃厚な旨みがやみつきに。
とろけるような舌触り、濃厚な味わい、口の中に長く余韻が漂うウニの香り…。アルコール漬けしたウニを瓶詰めした「やまみ職人伝承黄金粒うに」は、生ウニとはひと味違うウニのおいしさを堪能できる逸品。味わいだけでなく、商品名に「黄金(こがね)」と付くように鮮やかなオレンジ色をした美しい見た目も評判で、お土産用に、自宅用にと高い人気を誇ります。

ウニの専門メーカー「下関水陸物産」が製造。
「やまみ職人伝承黄金粒うに」を製造・販売しているのは、「うにのやまみ」で知られるウニ専門のメーカー「下関水陸物産」。終戦直後に「下関水陸物産商会」として下関市唐戸の地に誕生した、80年以上の歴史がある会社です。創業当時は塩干物を中心に扱う食料品販売業を営んでいましたが、昭和25年に現在の岬之町に移転し、ウニの瓶詰めの製造をスタート。問屋業からウニ専門のメーカーになった経緯を、代表取締役社長の嶋田秀貴さんにお聞きしました。

ウニとのゆかりが深い下関だからこそ。
「当時はまだ冷蔵・冷凍の技術が今ほど発達しておらず、アルコール漬けしたウニの瓶詰めは味わいだけでなく、日持ちの面においても非常に好評だったんです。それに、下関市はアルコール漬けウニの発祥の地とも言われているため、次世代につなげたいという想いもあったようです」と嶋田さん。続けてアルコール漬けウニの誕生にまつわる話も教えてくれました。「さかのぼること明治初期、灯台が設置された下関市の離島『六連島(むつれじま)』は外国船の往来が盛んで、ある日、外国人との会食中に誤って生ウニが入った小鉢にお酒(ジン)をこぼしてしまい、そのまま食べてみると驚くほど絶品だったと。そのため、改良を重ねてアルコール漬けウニが誕生した、という一説があるんです」。また、下関市に面する日本海はウニの生息に適しており、昔から良質のウニが獲れていたそうです。「下関のウニ文化を守るためにも、ウニに力を注いだんだと思いますね」と嶋田さん。

アルコール漬けウニでしか味わえないおいしさを。
アルコール漬けウニの瓶詰めの製造を始めて約80年、その間に「時代の味覚」に合わせ、幾度も改良を重ねてきたのだそう。「冷蔵・冷凍技術が格段に上がり、生ウニを口にする機会も増えましたが、アルコール漬けウニの需要はまだまだあります。生ウニでは味わえない濃厚さ、奥深さ、いつまでも口に広がる香りがありますから、全く別物として楽しんでいただけています。よりおいしく食べてもらえるようアルコール度数を下げたり、調味バランスを調整したりと、時代が求める味が提供できるよう日々研究しています」。ちなみにアルコール漬けウニの瓶詰めにもいくつか種類がありますが、「やまみ職人伝承黄金粒うに」は生ウニを使用し、特に色味にこだわっているのだそう。

味と品質を保つのに欠かせない職人の感覚。
「機械化した部分もありますが、肝心なところはやっぱり人の手による作業」と嶋田さん。ウニと調味液を混ぜ合わせる作業や、小さな異物を取り除く作業は手作業を貫いています。「長年経験した職人の感覚があるからこそウニの粒(形)が保たれます。検査機を通過してしまった異物があってはいけないので、目視でしっかりと追い、手作業で丁寧に取り除きます。こういう作業はやっぱり人の力が必要。これだけは譲れません」。下関水陸物産は、先駆けてHACCPも取得しており、信頼が輸出につながっているそうです。もう一つ、いかに良いウニを原料とするかも要なのだとか。「ウニを見る目はしっかりと養ってきました。ウニの漁獲量は年々減っていますが、それでも妥協はしていません」。

「残さず食べたい!」から誕生したヒット商品。
「やまみのうに」の人気商品はまだまだあります。中でも地元の醤油屋と共同開発した「雲丹醤油」は、日経トレンディ「日本の旨いもの100」でも紹介された逸品です。「雲丹醤油は、瓶詰めウニの底に残ってしまったウニを食べるために、醤油を入れてかき混ぜて刺身につけて食べたらおいしかったというお客様の声から生まれた商品です」。お客さんからヒントを得たのち、醤油屋と試作を繰り返し、1年近くの月日を費やしてようやく完成させました。「ウニと醤油はどちらも個性が強いので、どうしても味がぶつかってしまうんです。それを緩和させるにはどんなものを加えたらいいのか、それを見つけ出すのが大変でした。とにかく思いつくものを混ぜてみて、ようやくたどり着いたのが酒粕でした。まろやかに出来上がった雲丹醤油はテレビ番組などにも取り上げられ、一躍話題の商品となりました」。

お酒のおつまみに最高の一品。手軽さが嬉しい。
数あるウニ商品の中から嶋田さんイチオシの商品は「焼うに」。「手軽に食べられて、一口でウニの旨みが堪能できる、お酒のおつまみになるような商品が欲しい」と長年願ってようやく製造・販売にこぎつけたものだそうです。「ウニをそのまま焼き固めたり、ゼラチンを使ったりと試行錯誤を繰り返していましたが、どうにもうまくいかず…。そんな時、焼うにの技術をお持ちの同業者が会社を畳まれると聞き、当社が機械を譲り受け、作り方も教わることなりました」。しかし、同じ機械、同じレシピでも思うような味にはたどり着けず、そこから何度も試作を重ねていったそうです。「なかなか納得できる味に整わず、冷風乾燥機やオーブンを導入したりして、少しずつ理想の味に近づけていきました。思った通りの味に仕上がった時は、本当に嬉しかったですね」。

おすすめの食べ方で人気商品を味わい尽くして。
下関水陸物産が食卓に届ける自慢の商品「やまみ職人伝承黄金粒うに」「雲丹醤油」「焼うに」の、それぞれおすすめの食べ方を嶋田さんに教えていただきました。「粒うにはそのままでももちろんですが、クラッカーやかまぼこに合わせてもおいしいです。バケットに薄く塗って、トースターで焼くのもいいですよ。焼いたら風味が立つのでよりおいしく味わえます。雲丹醤油はやっぱり卵かけご飯が一番。でも、パスタのソースにしたり、サラダや冷奴にかけたり、刺身醤油として使ってもおいしいです。刺身は特にイカがおすすめです。焼うにはお酒と一緒にどうぞ。ウイスキーなどの洋酒にも合うのでぜひお試しください」。

目指すは「ウニの復権」。下関市を代表する水産物に。
最後に「下関水陸物産が目指すもの」をお聞きしました。「下関市は水産物が豊かなまちです。でも名物と言えば、ふぐ、鯨、アンコウとよく言われます。でも元々はウニもそこに名を連ねていたんですよ。江戸時代には長州藩に献上していたくらいですから。なので、再び名を連ねられるよう、もっともっとウニを盛り上げていきたいです。ウニの復権を図る、これが私たちの目標ですね」。下関水陸物産が今度はどんなウニ商品を誕生させるのかとても楽しみです。取り急ぎ今宵は「やまみ職人伝承黄金粒うに」もしくは「焼うに」で一杯やってはいかがでしょう?